授業中に生徒に対して私が尋ねる質問ナンバー1が「この問題はなんで間違えたんだと思う?」だと思います。
「どうしてその選択肢を選んだの?」「どうしてこういう答えを書いたの?」なども同じくらい多いでしょうか。
この質問はもちろん、私が癇癪を起こして「なんであなたはこんな簡単な問題もできないのっ!!」と、問題ができなかったことを責めているわけではありません。その子がその答えを選んだ理由を明確にするために質問しています。
授業では、基本的には予習をしてきた問題を扱います。つまり、生徒の皆さんは、原則一度は予習の段階で一人でその問題に取り組み、授業中にもう一度私と同じ問題に取り組むわけです。
そして、授業中は、ヒントやアドバイスをしながら文章を一緒に読み進めたり、間違えた問題を解き直したりするので、当然授業中にその子が考えること(2度目に読むとき)と、予習段階で一人で考えていること(初めて読むとき)は、考えていることが異なります。授業は自分が初めて読んだ時の読み方・解き方の問題点を洗い出して、正解にたどり着けるようにするにはどうしたらいいのかを一緒に考えていく場なのです。
これは、個別指導塾に限らず集団の塾や学校でも同じことがいえると思います。
だから「どの問題を間違えて点数が何点だった」ということよりも、「どうしてその問題を間違えてしまったのか」「次はどう考えれば正解にたどり着けるのか」を確認することのほうが重要です。最初に一人で読んだときにどのように考えて解いて間違ったのかが明らかになれば、その弱点を埋めていけばいいからです。
なんだかすごく当たり前なことを言っているようですが、受験も直前になればなるほど、目先のわかりやすい点数・偏差値・判定などに目を捉われてしまいがちで、本人も周りも、一回一回のテストに一喜一憂してしまうようになってしまいます。
もちろん受験は結果が全てなので、点数は大切なのですが、点数が悪かった時ほど”なぜ間違えてしまったのか”に目を向けると、解決の糸口が見えてくるかもしれません。